「リスキル」教育の充実ぶりで選ぶ、これからのハケンは人生100年時代の自己探求のチャンスに!!

株式会社リワードグロース(富山県富山市)

労働者派遣事業、職業紹介事業を2022年9月から新規展開している富山市の株式会社リワードグロース(以下、敬称略)。数多い派遣会社の中でも新規参入となる同社が注目されるポイントは、モノづくり人材のキャリア開発にとことんこだわった教育プログラムの充実ぶりです。

派遣社員のキャリア形成を支援する教育訓練体系には、「ジャスト・イン・タイム」や「かんばん」などの業界用語を生んだトヨタ生産方式(TPS)も。まさに企業ノウハウともいえる専門知識やスキルですから、正社員であってもそうそう学べる機会があるものではないと思われますが、それを派遣社員にも惜しみなく伝授しようというその訳は?

最高水準のモノづくり力がコア戦略

製造業に派遣業種を特化する同社は、自動車やオートバイ部品製造で海外含め連結1,500名規模を有する田中精密工業グループの一翼を担っています。自動車業界という常にその時代先端の技術力と品質精度が求められる最高水準のモノづくり力が、グループ各社に共通する事業戦略のコアとなっています。

中でも同社が派遣エリアとする富山県は、日本海側トップの工業集積地で第2次産業の就業人口割合では全国トップとされていますから、リアルな製造現場で長年培われたノウハウをバックグラウンドとする同社は、即戦力となるモノづくりのエキスパート人材を求めるメーカー各社から期待を受けそうです。
※富山県「企業立地ガイド」より
https://www.pref.toyama.jp/1307/sangyou/shoukoukensetsu/kigyouricchi/top/miryoku/kogyoshuseki/index.html

田中精密工業グループの精密加工部品

「持続可能な生産活動」とは?

同社のWEBサイトには、企業ミッションとして「あらゆる生産活動を持続可能なものにシフトする」と掲げられています。生産活動の持続可能性とは、どういうことでしょうか?

Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の頭文字から「VUCA(ブーカ)」と言われる不確実な時代。確かに、企業におけるBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)の必要性はますます高まっています。しかし、同社の考えるサスティナビリティは、それだけではないようです。
※経産省「コロナ禍における事業継続に向けたBCP(事業継続計画)の公表・登録」より
https://www.meti.go.jp/covid-19/bcp/index.html

モノづくりのDNAを未来へ引き継ぐのは、そこで働く人であり、人が変わることで未来を変えていく「Change the Future」という田中精密工業グループの2030年ビジョンに、まさにそれが示されています。カイゼンというイノベーションを生み出し続ける人材価値、すなわち最近注目される「人的資本」のサスティナビリティとレジリエンス(強靭性)の追求、それこそが同社のめざす持続可能な生産活動を実現するカギといえそうです。
※経産省「人的資本経営」WEBサイト
https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinteki_shihon/index.html

株式会社リワードグロースWEBサイトより

新たな可能性が開花する、自己変革のトビラ開け!

働く側にとっては、充実した「リスキル」教育は、働きながら自己変革を実現するチャンスともいえます。自分がめざす次のキャリアビジョンをいろいろな職場を比較しながらトライすることができますから、自己の新たな可能性を探求する視点で、派遣という働き方を積極的に選択する考え方もあるでしょう。

世界的ベストセラーとなったリンダ・グラットン著『LEFE SHIFT(ライフ・シフト)』では、人生100年時代においては、新しい経験を追求するエクスプローラー(探検者)、自分で職を生み出すインディペンデント・プロデューサー(独立生産者)、複数の仕事を併せ持つポートフォリオ・ワーカーという新たな働き方の価値観が予見されています。

働く人と派遣先と派遣元の「三方よし」な関係

派遣社員の主体的な能力開発は、受け入れ側の派遣先企業にとって意欲ある有能な人材を確保できるメリットとなります。また、それによって派遣先企業の生産性と満足度の向上につながれば、もちろん派遣元企業にとっても、営業力強化と市場拡大、さらには質の高い派遣登録者の獲得を図る原動力にもなりえます。

つまり、企業ノウハウを惜しみなくつぎ込んでまでも、働く人の自己変革とキャリアアップを実現できるような高付加価値な教育プログラムを提供する取り組みは、派遣社員・派遣先・派遣元という「三方よし」の好循環を生み出すSDGs戦略として、同社がめざす「持続可能な生産活動」への貢献につながるものと期待されるわけです。

徹底したDXが、人材ファーストのためのリソース生み出す

とはいえ、教育内容を充実させようとすればするほど、相応のコストや人的リソースを要することが大きなネックになります。コロナ禍など景気動向の影響も受けやすい派遣業界ですから、なおさら慎重にならざるを得ないと言えるでしょう。

同社では教育面に割り当てる社内リソースを生み出すため、求人採用から雇用管理、勤怠集計、給与計算までさまざまな人事労務業務を全面クラウド化するなどして、製造現場と同様にムダを徹底排除するDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進しているのがもう一つの特長です。

さまざまな派遣先に応じて就業場所も労働時間も異なる勤務情報の管理を求められる派遣元企業ですが、完全ペーパーレス化によって、派遣で働く人にとっても負担の大きい日々のタイムシートの報告作業も自動化を実現しています。

こうした努力によって、働く人ファーストな運用体制と教育プログラムにリソースを集中し、地域のモノづくり産業の持続的発展をめざす同社の挑戦を、当研究所も引き続き全力でサポートしてまいります。

株式会社リワードグロース
https://rgrowth.co.jp/

【SDGsへの貢献性】

Goal4

〈ターゲットNo.4-4〉
2030年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。

Goal8

〈ターゲットNo.8-2〉
高付加価値セクターや労働集約型セクターに重点を置くことなどにより、多様化、技術向上及びイノベーションを通じた高いレベルの経済生産性を達成する。

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